Docomo PRIME series

docomo PRIME series：高機能と洗練されたデザインを両立した、NTTドコモの携帯電話シリーズ

NTTドコモは、2008年11月、携帯電話の新たなシリーズとして「docomo PRIME series」を発表しました。それまでの「90xi」シリーズ（高機能型）と「70xi」シリーズ（デザイン重視型）といった型番による分類方法を見直し、新たなコンセプトに基づいたシリーズ展開へと移行する中で生まれたシリーズの一つです。

PRIME seriesは、最新機能を豊富に搭載した、高機能モデルに位置づけられていました。旧来の「90xi」シリーズの後継として、最先端の技術と機能を追求した製品群を提供することを目指していました。その結果、端末価格は6万円前後と、デザイン重視の「docomo STYLE series」に比べてやや高めに設定されていました。

シリーズの特徴として、まず挙げられるのがその高い機能性です。当時最新の技術を積極的に採用し、快適な通信環境と多様な機能を提供していました。また、デザインにおいても、洗練されたスタイルと高級感を両立させており、ユーザーに高い満足感を与えることを目指していました。

PRIME seriesのコンセプトカラーは「プライムイエロー」として設定され、広告キャンペーンでは人気俳優の松山ケンイチさんが起用されました。この広告は、2010年4月まで展開されました。シリーズの知名度向上と、高機能・高価格帯モデルとしてのブランドイメージ確立に貢献したと言えるでしょう。

しかし、2011年9月8日、NTTドコモは2011年夏モデルを最後にPRIME seriesの廃止を発表しました。それ以降、PRIME series相当の端末はSTYLE seriesで展開されることとなりました。これは、市場環境の変化や、製品戦略の変更によるものと考えられます。

PRIME seriesは、その短い期間ながらも、当時最新の技術と洗練されたデザインを融合させた、魅力的な携帯電話シリーズとして存在感を示しました。多くのユーザーに支持され、高い人気を博したことは、その成功を示す何よりの証拠と言えるでしょう。

HSDPA 7.2Mbps対応と2009年夏モデル

NTTドコモは、2009年度にHSUPA規格に対応した新機種の投入を表明していました。そして2009年4月28日、東京都特別区エリアにおいて同年6月からHSUPAサービスを開始すると正式に発表しました。コンシューマーモデルでは、PRIME seriesが最初にHSUPAに対応した機種（L-06A）を投入しました。これは、PRIME seriesが高機能モデルとして位置付けられていたことと、各社が最初の機種投入から半年近く経過していたことによるものです。なお、PRIME series全機種はHSDPAで7.2Mbpsに対応していました。

docomo PRIME seriesの遺産

PRIME seriesは、その存在期間は短かったものの、NTTドコモの携帯電話の歴史において重要な位置を占めています。高機能とデザイン性を両立させた製品群は、後の携帯電話シリーズの開発にも大きな影響を与えたと考えられます。また、このシリーズを通じて培われた技術やノウハウは、現在もNTTドコモの製品開発に活かされていると言えるでしょう。PRIME seriesは、携帯電話の歴史において、一つの重要な転換点として記憶されています。

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